第18章 猫王子と音楽
「が使っているのは何だ?」
『Ipodの赤』
「そうか、赤か」
『オイそこ、あからさまに喜んでんじゃねーよ。言っとくけどたまたまだかんな。たまたま一番可愛かった色が赤だっただけだかんな!!』
「くすっ、分かってるよ。僕もそれにする」
『残念だけどこれは専門店か公式ネットからじゃなきゃ注文出来ないから、今は買えない』
「…それは迷うな」
『どんだけ今欲しいんだよ!』
結局赤司は悩みに悩んで、ネットで同じ赤色を注文する事に決めた。
それからご飯を食べるために近くの洋食屋に入った。はゆると来た事があるお店で、ここのチーズハンバーグは特におすすめな商品だった。それを説明すると、赤司はすんなりチーズハンバーグを注文してくれた。
『赤司ってさ、一度買うって決めたら覆らないタイプ?』
「?どうしてそう思ったんだ」
『だって今すぐ買わなくても良かったのにさ、すっげー迷ってたじゃん』
「どうせ買うなら自分の納得がいくものがいいからね。それに…まだギリギリまで黙っていようと思ったんだが」
赤司はスッと一枚の紙きれを取り出した。しかしそれはよく見ると紙切れなんかじゃなく、とても貴重な紙だった。
『ちちちちちちちょコレ!!!!!RADのライブチケットじゃん!!!!』
「あぁ。当たったんだ」
『はぁ!?あたしなんか先行チケットも一般チケットも狙ったのに当たらなかったんだぞ!?』
「僕は一般で獲得した」
『何だよその最強の運は!!いいなー…お願い赤司!これ倍額で売ってください!』
「売るも何も、1枚あげるよ」
『だよなぁ、そりゃ無理だよn…は?』
「もともとと一緒に行きたくて応募したんだ。Ipodも購入したのもこのためだ。だから、一緒に行くぞ」
『…まじで!?』
「まじだ」
まじで!?何コレ!何の夢コレ!!!夢にまで見た、RADのライブに行けるの!?キャーーーー!!!!
『赤司大好きっ!!!』
「っ!」
『?…っ!!!!あ、今のはそういう意味じゃなくて』
あぁもうヤダ、自分でごにょごにょしてるのが分かる。あたし達はお互い黙り合った。
気まずいけど、ライブに行ける。赤司、ありがとう。ライブの日にちは、年明けになっていた。