第17章 猫王子と訪問者
赤司side
無言で帰路に着く。が、気まずい。とにかく気まずい。というか、僕の気が気でない。のあの反応が今でも忘れられない。
「」
『んー?』
「少し、寄り道して帰らないか」
まだ日が暮れるまで時間がある。何となく、このまま帰ってはいけないと思った。
の了承の返事を聞き、近くにあったレンタル自転車の店に入り、自転車を1台借りた。僕が漕ぎ、を荷台に乗せてゆっくりと土手を進む。
『…ねぇ、赤司。何であの時あんな事言ったの』
「…笑わないか」
『笑わないよ』
「………大輝の所へ行ってしまうかと思った」
『…は?誰が?』
「が」
は荷台の所をギュッと握ったのか、キシッと変な音がした。この触れそうで触れられない距離ももどかしい。
と思っていたのに、僕の背中が急に温かくなった。と同時に、じんわりと重みも感じる。
が僕の背中に寄りかかっていた。