第17章 猫王子と訪問者
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赤司の爆弾発言投下によって変な空気になったまま、青峰と桃ちゃんが帰る時間になってしまった。明日もまだ京都にいるらしいが、明日はあたしも赤司も部活があった。
「またな、。WCも見に来るんだろ?」
『WC?何それ美味しいの?』
「違うよちゃん。冬にあるバスケの大会だよ。東京であるから、見に来てほしいな!」
『分かった!桃ちゃんに頼まれたら行くしかないでしょ!しょうがないから青峰の試合も見てやるよ!しょうがないからな!』
「2回言うな。ったく…んじゃ、まぁそろそろ行くわ。あと赤司。俺に向けて言ったとは思うけどよ、俺は全くその気はねぇから」
「かっこつけちゃってー。けど、青峰君がその気じゃない事は私も保障するから。だから、しっかりね」
「…あぁ」
ん?これは何の話をしているのかな?またちゃん仲間外れなのかな?くっそう!
「じゃあな、赤司、。また冬だな」
「そうだな」
「絶対に負けないからね!ちゃん、今度東京でまた遊ぼうね!」
『うん!今度は2人でプリクラ撮ろーね!』
青峰と桃ちゃんが見えなくなるまで、その背中に手を振り続けた。もちろんあたしと赤司の間に、会話はない。
2人の背中が消えた後、何とも言えない空気が流れる。あんな事を言った赤司がこの変な空気を変えるべきだけど、その赤司も変だ。少し、動揺してる…?
『赤司』
「っ…何だ」
『え、どうしたの?』
「いや…」
『?…帰ろっか』
「…あぁ」
あたし達は無言で帰り道を歩いたのだった。