第17章 猫王子と訪問者
そして約束の土曜日の前日、金曜日。
「」
『んー?どしたの王子』
「明日予定はあるか」
『あー、明日は病院行くよ』
「それが終わったら、僕に付き合え」
『…は?』
「分かったな」
『…あははー、ごめん赤司!あたし行けないや』
「明日僕も部活を休む。一緒に病院に行くよ」
『はぁ!?ちょ、待ってよ!!何でそうなるわけ!?』
「いいね」
『ちょ、赤司!!!』
の否定を無視して席に戻った。
『あたし絶対行かないから!』
行かないと言うなら、僕が引きずってでも連れて行くよ。
そして翌日。
朝から外に出るために必ず通るホールでを待っていた。
「おはよう」
『…何でいるわけ』
「言っただろう、一緒に行くって」
『着いてくんな』
「僕が勝手に歩くだけだ」
『…チッ』
の足はもう痛くないはずなのに、恐怖からか自然と庇うような歩き方になっている。そのため歩くスピードは遅かった。
病院に着いて検査をする。特に異常もなければ、順調でもない。とにかく時間が過ぎるのを待つだけだった。
『じゃぁね、赤司。あたし用があるから』
「行かせないよ。僕と一緒に来るんだ、いいね」
『はぁ!?何言って…っ!?』
「元気なのはいいけど、ここは公共の場だ。少し静かにしていろ」
『ちょ、下ろせ!!!赤司!!!!』
嫌がるを無理やり横抱き(いわゆるお姫様だっこ)にし、約束の場所に向かった。