第16章 猫王子と怪我人
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『ご馳走様でした!いやぁ、赤司って料理出来るんだな!野菜炒め、美味しかった!!!』
「たまに料理もするからな。野菜炒めくらい、だれでも作れる」
『今の世の中そうでもないと思うよ?料理男子なんて貴重だって!片付けはあたしやるよ』
「僕がやる。足も痛むだろう」
『へーきへーき!立ってるだけなら杖なしでもいけるし!ほら、座ってな』
赤司を追いやって食器を洗う。すると痛いくらいの視線を感じた。
『…あの、王子?そんなに見られててもやりにくいんだけど』
「あぁ、気にしないでくれ」
『気にするわ!!!何!?何か付いてるわけ!?』
「クスッ…違うよ。ただ、いいなと思っただけ」
『何が?』
「と付き合って結婚したら、こういうのも日常になるのかなって思ってね」
『ぶっ!!!け、結婚!?つーかまだ付き合ってもねーし!?』
「ふーん?まだ、ねぇ…」
『っ!ちがっ…今のはそういうんじゃなくて!!』
「クスクスっ…ほら、早く続きしなよ」
ムカつく!!赤司ムカつく!!!!何あの余裕!!ムカつくけどホント綺麗に笑うなアイツ!!!女より絶対綺麗だよマジで!…ん?あれ?最後あたし褒めてね?
赤司の視線に耐えながら、何とか食器を全部洗い終えた。悔しかったから赤司の横じゃなくて、テーブルに座ってやった。
はゆると話してからあたしもいろいろ考えた。確かにはゆるの言う通り、心のどこかで赤司の事を好きにならないって決めつけている自分がいた。
それを取り除いてから、赤司の言動に振り回されている気がして悔しい。悔しくて仕方がない。おこ。
「まったく…そういう所が可愛いって自覚してる?」
『はぁ!?』
「クスクスっ…ほら、宿題やるよ」
赤司は爆弾発言をして隣に座って来た。うん、近い。