第16章 猫王子と怪我人
赤司side
昼休みが終わる頃、5組の飯塚に連れられてが帰ってきた。声をかけようとしたが、どうも様子がおかしい。それを感じ取ってか、川崎が僕の方を尋ねてきた。
奈央「ちょ、どしたん?」
「僕にも分からない。飯塚と何か話してたようだが…」
奈央「飯塚さんなぁ…あの子、大人びとるからに何か言ったんかもしれへんな。で、の頭がキャパオーバー。こんなとこやろ」
多分、9割くらいは正解だと思う。その証拠に、ほら。頭を掻き毟ったかと思えば突然大声を出した。近くにいたクラスメイトに話しかけられ、すぐにいつものに戻った。
奈央「あ、立ち直りよった。ほんま単細胞やなぁ」
「…それがアイツの良い所でもあるんだがな」
奈央「んー?何よ赤司君、惚気?」
「…間違ってはいない」
奈央「ふーん?ま、頑張りやー」
川崎はの元に戻って行った。そのは怪我をしていても、いつもと変わらない様子だった。
そしてある日の放課後。
いつものように部活をして、いつものように居残り練習を終える。今日は部活練の時にいつも以上に追い込んだから、この辺でやめておこう。
シャワーを浴び、寮に帰ろうとしていた時、ボールの音が聞こえた。ここはバレー部が使っている体育館だ。のように遅くまでやっている人がいるのかと、興味本位で覗いてみた。
その結果、言葉を失った。