第16章 猫王子と怪我人
入院してから3日後には退院出来た。毎日両親、奈央、はゆる、赤司がお見舞いに来てくれたから退屈はしなかった。他の友達もたくさん来てくれたし。
あー、あたし洛山に入って本当に良かった!!!
『うぃーっす』
先生「!!!!おま、久しぶりやのにホンマ変わらへんなぁ…」
久しぶりの登校にザワザワする教室。そりゃ今日復活って事は先生にしか言ってないし。もちろん、奈央にも。
田中「、待ってたで!!!」
真田「お前がおらへん1組は1組やあらへんかったで」
女子「お帰り、!!!」
『皆…』
奈央「ちょ、私聞いてへんかったで!?昨日お見舞い行った時には何も言うてへんかったやん!」
「同感だ、僕にも黙ってたと言うのかい?」
『こっえーよアンタら2人!!!黙ってたのは悪かったって!だからそのハサミとハリセンしまってください!!!』
ご立腹の2人には必死に謝って許してもらいました。ちょっとしたサプライズという事で…
そして1限目は数学。いつものように赤司の隣の席に移動して気付く。
『…そっか、麗華ちゃんはもう…』
「…あぁ。もう東京に戻ったそうだよ」
『ふーん。ま、いいや。とりあえず入院してた時に出された課題終わったよ。赤司先生』
「へぇ…本当に1人で出来たんだな」
『とりあえず1問に3時間かけて何とか終わらせた』
「…それはかかりすぎだ」
『…てへっ♡』
「黙れ」
『うぃっす』
赤司は傷付く言葉を投げながら問題に目を通していく。この3日間で赤司から宿題を出された時はもう夜通し泣いた。しかも数学だけ。泣いた。
「そうだな…3問間違っている」
『まじでか!?くっそー、自信あったのになぁ』
「しかし悪くない。計算ミスだからな。大方力尽きたんだろう。よく頑張ったな」
『トゥンク…王子が優しい…』
「は?僕は別に前と変わらないが」
嘘、絶対嘘!絶対優しくなってる!!だって前より笑顔が優しくなってるもん!