第15章 猫王子と修学旅行
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先生「今朝の職員会議で今年の修学旅行は沖縄に決まったでー。今日の5限のLHRはさっそく班決めする予定やから、適当に話固めといてなー。以上や、質問あるかー?以外で」
『何でだよ!何であたしは質問しちゃいけないんだよ!』
先生「どうせお前の質問は、秋なのに何で沖縄かっちゅー事やろ?答えが聞きたければ教頭にでも聞けー。って、お前の事やからホンマに聞きそうやな。やっぱやめてくれへんか」
『先生の中だけで解決すんなよ!つーかもういいよ!聞く気失せたわ!!!せめて人数だけは教えてよー』
先生「せや、忘れとったわ。男女各3人ずつ計6人1組の班や。出来る限り希望は取るけどな、揉めたら即決定権は先生に移るからなー」
先生は必要な事だけ伝え、教室を後にした。正直1組の人達は皆仲良いし、面白いから誰となっても楽しい修学旅行になるだろう。だけど、願わくば奈央と一緒な班になりたい。
奈央「ー、あと1人誰誘う?」
『…What?』
奈央「もー、修学旅行の話に決まってるやん。男子はどこの班と合流するつもりなん?やっぱ赤司君のとこ?」
『ちょ、ちょっとまって奈央たん。奈央たんはあたしと同じ班になってくれるのかい?』
奈央「は?何当たり前の事言ってんねん。そんなん今更確認する必要ないやろ?」
『な、奈央ちゃん~~~~~!!!大好きだぞコノヤロー!!!!!あ、間違えた。このアマ~~~~~~!!!』
奈央「気を使って言い直してくれたんやろけどな、逆に腹立つでその言い方。で、誰がええ?」
奈央はあたしと同じ気持ちでいてくれた。やばい、嬉しい!奈央、大好き!!!
麗華「私、一緒な班になってもええ?」
奈央「なっ、麗華!?」
女子生徒「断りぃ、、奈央!!麗華は絶対に赤司君と同じ班を狙ってるだけや!」
『ちょ、ちょっと待ってよ!そうとは限らないじゃん!』
女子生徒「同情なんかいらへん!もう忘れたん!?あれだけ酷い事されたやん!忘れたわけやないやろ!?」
もちろん忘れたわけではない。それを皆が許してないことは知っていた。だけどあたしが助ける義理は無いと、見て見ぬふりをしてきた。それは今まであたしは傍観者だったから。
今回、こんな形ではあるけれど、やっと関わる機会がやってきたんだ。