第13章 猫王子と幼馴染
赤司side
時間もちょうど良くなったため食堂へ向かった。いつものように日替わり定食を注文し、横に長い机の端に座る。今日の定食メニューは焼きサバ定食だ。
半分ほど手を付けたところで、僕の前に影が差したかと思えば、目の前の椅子が引かれた。
『どっこいしょ、と』
「…年寄りか」
『若ければ使っちゃいけない言葉なんてありませんよ~だ。赤司の焼きサバ定食、美味しそうだな~』
「あぁ、美味しいよ。食堂でこれほどの味が出せれば上出来だ」
『美味しそうだな~。あたし焼きサバかエビチリ定食か、どっちか迷ったんだよね~』
「やはりスポーツマンたるものバランス良く食べなければならない。ポチが肉ばかり食べているわけじゃなさそうで安心したよ」
『焼きサバ定食、今日逃すと次食べられるの2週間後だしな~。美味しそうだな~』
「…少し食べるといい」
あまり行儀の良い行為ではないためかわしてきたが、あまりにもしつこかったため、僕が折れた。すると分かりやすいほどパァッと顔を輝かせた。…可愛いとときめいてしまった。
『ありがとう赤司!んーっ!焼きサバも美味しい!お礼にあたしのエビチリもあげるよ!!』
「…すまないな。それより、今帰ってきたのか?」
『2時間くらい前には帰ってたよもぐもぐ。新幹線の時間ももぐもぐあるからねもぐもぐ』
「そうか。新城は何か言ってたか?」
『何ももぐもぐ言ってもぐもぐないよもぐもぐ。普通にもぐもぐ帰ったもぐもぐよもぐもぐ』
「…喋るか食べるかどちらかにしろ。みっともないぞ」
するとは口の中のモノを全部飲み込んだ。というか食べるの早くないか?
『だって早く食べなきゃ赤司先に帰っちゃうじゃん』
「…は?」
『どっかの王子様は機嫌が悪いみたいだから、慰めようかと思って』
悪戯っぽく笑うを見て、新城に譲った事を後悔している自分が馬鹿らしくなった。
「先に食べても帰らないよ。だが…そうだな、少し広場で話しに付き合ってもらうくらいはしてもらってもいいな」
『はいはい、よろこんで。その代わりこの豆腐もーらいっ!』
「…僕の豆腐を返せ!!!!!」
『ぎゃーっ!!ちょ、タンマ!尋常じゃない怒りなんだけど!返す、返すからストップ!!!』
おかえり、。