第13章 猫王子と幼馴染
翌日。赤司を見送りジャージに着替え体育館に向かっていた。今日は体育館の点検も重なり、部活は午前中のみ。
その上体育館を使用する部活動の部員達は、体育祭で使った用具を倉庫に入れる手伝いに駆り出されていた。
「」
『お、赤司ー。どしたー?』
「新庄はどうした?」
『春なら部屋で待ってるよ。午後からあんま時間無いけど京都案内してやるつもり。赤司も来るー?』
「そうか。せっかくの誘いだが、遠慮しておくよ。僕相手に遠距離は分が悪すぎる。これくらいのハンデは必要だよ。そうでなければ面白くないからね」
『相変わらず俺様何様王子様赤司様だよな!!ま、せっかく春がわざわざ東京から来てくれたんだし、久しぶりにゆっくり2人でデートでもしようかな』
「…前言撤回だ、僕も行く。デートと認識していて行かせるわけにはいかない」
『ふはっ!冗談だっつーの!アンタら2人を一緒に連れて歩くだけで疲れるから絶対嫌』
少し赤司をからかったらマジレスしやがった。つーか冗談だっつーの。
先輩「ー!!サボってへんで働きぃや!はよ終わらせな部活出来へんのやで!?ただでさえ今日は時間も少ないんやから」
『あ、はーい!!じゃあね、赤司』
「」
『ん?』
「…新城によろしく伝えておいてくれ」
『…りょーかい!!』
あれだけ春と喧嘩しておいて、最後はコレ。やばい、素直に嬉しいんだけど。大事な幼馴染と大事な王子。その2人がずっと仲良くしてくれたらいいな。