第11章 猫王子と文化祭
「僕はは来てくれないと思っていたよ。昨日の今日だし、何より僕はを裏切った」
『それは!!!』
「いいんだ。…僕は勝手に賭けをした。もしが来なかったら本気で諦める。だけどもし来てくれたら…諦めない。その結果、はこうやって来てくれた。僕はただ単に嬉しかった」
『赤司…』
「だけど今なら思う。が来ることは必然的だったんじゃないかって。僕のこの気持ちが負けることはあり得ないからね」
『…ぷっ…何それ』
「僕の気持ちはそれほど軽いモノではないって事だよ。それにがいなくなった時、不思議と僕は見つけられる自信があった。僕は自分が思っている以上にに惹かれているらしい」
『…ほんと、王子様だよ。あたしの気持ちなんて無視するんだからな』
「…すまないと思っているよ」
『あははははっ!!嘘って事バレバレ』
赤司は赤司の心に素直になってくれた。今度はあたしの番。
『あたしもね、昨日帰ってからずっと考えてた。何であんな言い方しちゃったんだろう、何でいつもみたいに断らなかったんだろうって。それはあたしが赤司と繋がっていたかったから。赤司は特別だって思っていたからなんだよね』
「繋がり…特別…?」
『そう。だから今こうして赤司と喋っていることも、赤司が助けに来てくれた事も、凄く嬉しいんだ。あたしはこれからも赤司とこういう関係でありたい』
「…すまない。が言いたい事が分からなくなってしまった」
『赤司さ、あたしの事諦めないって言ったよね?』
「あぁ」
『だからさ…
あたしを惚れさせてみなよ。王子様』
我ながら生意気な言葉だと思う。麗華ちゃんに言われた通り、自意識過剰なのかもしれない。だけど、変にギスギスするよりこっちの方があたし達らしいと思う。
「…フッ…生意気な犬だな。その言葉、後悔させてやる」
『言っとくけど、あたしは手強いよ?なんせ赤司の事、全然意識してないからな!ぶははははっ!』
「問題ない。が僕に惚れる事は目に見えているからな」