第11章 猫王子と文化祭
翌日。
『はぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ』
先輩「煩いで、。アンタ今日全然集中してないやん。朝ごはん抜いてきたんか?」
『…人の心労を朝食不摂取で片付けないでくださいよ。もっといろいろありますよね』
先輩「せやかてアンタが風邪なんか引くわけあらへんし、悩み事なんてもっとあらへんやろ?特にバレー中は」
『サクッと刺さりましたよ、言葉の刃があたしの心にね…あたしは人外種かっつーの』
先輩「何なんアンタ。ほんまにどうしたん?」
『…昨日考え事して結局眠れませんでした』
先輩「珍しいなぁ!ほんで、その悩み事は解決したん?」
『全く。寧ろ後から後から後悔と苛立ちの波があたしの体を蝕んでます…』
昨日、帰ってからずっと考えていた。いや、考えたくなかったが、頭の中は赤司との件でいっぱいいっぱいになっていた。
そして考えれば考えるほど、どうしてあたしなんだろうとか、どうしてこうなってしまったんだろう、とか…
いや、そんな事はあまり考えていない。
何であんな言い方したんだろう。赤司はこんなあたしを好きになってくれて、キャラじゃないのに真剣に気持ちまで伝えてくれたのに。そんな"苛立ち"。
あたしは自分の思いとは違う想いを持った赤司に対して、自分の感情のみをぶつけてしまった。いつもみたいにサクッと断れば良かったのに。
ううん、断れなかった。愛情とかではなく、赤司はあたしにとって特別な存在だったから。だからイラついたんだ。ずっと赤司も同じだと思っていたから。そんな"後悔"。
先輩「…、今日は休んでええからもう帰り」
『嫌です!』
先輩「あのなぁ、そんな気持ちのまま練習したって何も上達せぇへんで?それにもし怪我でもしたらどうするん?」
『大丈夫です!すみません、あたしが間違ってました。やらせてください』
先輩「…はぁ。少しは先輩の言う事聞かなあかんで?これが最後や。少しでも気が緩んだ思たら即帰ってもらうで?」
『はい!ありがとうございます!』
何やってるんだ、あたしは。自分の両頬をパシンと叩くと、練習に集中した。