第11章 猫王子と文化祭
それから奈央の惚気話をたっぷり聞く。本当に黄瀬涼太の事が好きだってことが十分に伝わってくる。
奈央「はどうなん?赤司君と」
『…は?王子と?何が?』
奈央「はぁ?好きなんちゃうん?」
『この流れでいくと、それは恋愛という意味かな奈央さんや』
奈央「当たり前やん。他に何があるん?」
『デスヨネー。ていうかあたしと赤司はそんなんじゃないよ』
奈央「…ま、そう言うと思ってたんやけどな。もし赤司君から告白されたらどうするん?」
『はぁ!?告白?王子が?あたしに?何それ笑える!!!!あはははっ!!!』
奈央「何で笑えるん?あり得るかもしれへんで?」
『ないよ、絶対にない。だって王子だよ?』
あたしと赤司は今のままで十分だ。きっと赤司も同じ事を思ってる。
奈央「今のままじゃ麗華に捕られるかもしれへんでー?」
『麗華ちゃん、必死に頑張ってるもんねー。ちゃんと真正面からアタックしてるようで安心したよ』
奈央「そうやない。何とも思わへんの?」
『そうだねー。まぁ少し寂しいかな。もし付き合ったら今までのようにはいかなくなると思うし』
奈央「…それだけ分かってれば十分や。そんで黄瀬君がな!」
奈央は再び黄瀬君の話をし出した。聞いてて面白いから飽きはしないが、よくずっと話してて疲れないなと思う。あたしも相当だけど、奈央はもっと凄い。
奈央「そんで祭りの話になってな、東京の祭りに先輩と行ったんやって!」
『東京の祭りは凄いからねぇ。…ってちょっと待て!!!あたし今年祭り行ってねぇよ!!!!忘れてた!!!』
奈央「珍しいな、いかにも祭り好きそうなのに」
『毎年かかさず行ってたのに!!!京都初めてだから祭りの時期確認してなかった…』
奈央「ウチも教えれば良かったんやけどなぁ。今年は部活で忙しくて行かれへんかったから。あ、せやけど今週末最後の祭りあるで」
『何だって!?』
奈央「京都は少し遅れて最後の祭りが開催されるんや。赤司君と2人で行ってきいや」
『行く!けど何で赤司?奈央一緒に行こうよ』
奈央「ウチその日用事あるねん。確かその日は部活も午前で終わるし、ちょうどええやろ」
『まじでか!よし、明日聞いてみる!』
それから朝まで、ずっと話続け文化祭当日を迎えた。