第11章 猫王子と文化祭
あれから日にちは流れるように過ぎ、いよいよ明日は文化祭当日。我が1組も準備に追われていた。
女子生徒「誰か手伝ってくれへんかー?」
男子生徒「ここどうなってるんー?」
否、大変なくらい追われていた。
『やばい、猫の手も借りたい!いや、王子のじゃなくて本物の猫の手も借りたい!!』
「僕は何も言ってないだろう。口を動かす暇があったら手を動かせポチ」
『動かしてるよ!!!明日は本番だってのに、今日で完成するのコレ~!!!』
奈央「アンタが衣装にこだわりすぎたからやろ!?今日部活休みで助かったで、ホンマ」
『あたしは嫌だぁぁぁぁ!!こういうイライラしてる時は思いっきりバレーしたい!』
奈央「誰のせいで送れた思てんねん、アホ」
『サーセン』
奈央の言う通り、衣装にこだわりすぎて大半の時間と人数を衣装に使ってしまった。おかげですっげー完成度の高いモノが出来たんだけど、会場の準備と料理の準備が間に合っていなかった。
女子生徒「試作品出来たんやけど、味見してくれへん?」
『!!待ってました試食タイム!あたしやりたい!!!』
奈央「さっきからそわそわしてたのはこれを待っとったんか…ホンマ抜け目ないなアンタ」
『うめー!コレうめー!!!ちょ、奈央姐さんも食べて食べて!!!』
奈央「あ、ホンマや!めっちゃ美味しいなぁ!やなくて!!!はよやらな終わらへんで!?」
女子生徒「なら残りは他の人に味見してもらうわ。頑張ってな」
『へ!?ちょ、まだ全部食べてないのに!!!待ってぇぇぇぇ!!!!』
せっかくの幸福の時間が…くっそー奈央のヤツ、あたしの楽しみ奪いやがって…
奈央「せや、。今日泊まってええか?」
『うん、いいよー。…え!?今日!?』
奈央「今日。ええん?」
『いいけど…また急な話ですな』
奈央「前き、黄瀬君の話があるって言うたやろ?あれ、今日話したいねん」
『まじでか!!いいよー!それじゃあさっさと終わらせてコンビニ寄ってお菓子買って帰ろう!』
奈央「それええな!部活もあらへんし、今夜は寝かせへんで!」
『やだ、もう…奈央のエッチ♡』
奈央「キモ。どっから声出してんねん」
やった!奈央とお泊りだ!!!