第10章 猫王子と解決
赤司side
『でもどうやって見つければいいんだろう…』
「心配しなくてもすぐ見つかる。もう目星はついてるからね」
『まじでか!!!赤司まじ何者…コ●ン君とかじゃないよね、眠りの赤司とかないよね?』
「安心しろ、僕は小五●さんにはなりきれない」
『そういう問題!?で、これからどうすんの?』
「…誰か、聞かないのかい?」
『まだ証拠がないんでしょ。そんな状態で友達疑いたくない』
赤司だって言う気ないくせに、と言う。確かに教える気は無かった。確証が持てない。
「…それより離れたらどうだ」
『えー?だって赤司超良い匂いするし、身長とかちょうどいいし?』
はあれからずっと僕に抱き着いていた。泣いていた時は何とも思わなかったが、今では気が気でない。
「…僕だって男なんだが」
『えー?だけど前、犬に発情はしないって言ったじゃん』
「いつの話だ。もう一度言う。僕は男だ」
『知ってる』
「はぁ。…お前は分かってない。誰もいない所で男女が2人、しかも抱き合っている」
を抱きかかえ、馬乗りになる。僕との顔の距離は、わずか5㎝。黙れ、心臓。
「こういう事にもなるんだぞ」
『…赤司、めっちゃ顔綺麗』
「…は?」
『ちょ、アンタ男のくせに化粧品とか使ってるの?何そのキメ細やかな肌!何その羨ましい白さ!ていうか何その瞳!色違うじゃん!!!かっけー!綺麗!!!』
男の恐怖を教えようと思ったが、あまりにも拍子抜けな言葉に顔を離してしまった。というか今何て言った。
「…瞳の色、気付いてなかったのか?」
『え、うん。今日だけカラコン入れてんじゃないの?』
「…これは僕の本物の眼だ」
『まじでか!!!!すっげー!オッドアイ?ってやつ?初めて見た!猫とかならあるけど…ってまた猫!!!!にゃはははっ!』
何度も眼を合わせているのに、今までコイツは何を見てきたんだ。だけど、それがか。
『でも、ほんと綺麗』
「!!!…そうか」
抱き着かれた事より、忌み嫌われてきた瞳の色を綺麗と言ってもらえた時の方が、心臓は煩く鳴り続けた。