第2章 近くて遠い距離
あれから数日……。
私は毎晩のように彼の夢を見ていた。
見つめあったり、抱きしめあったり、キス……したり……//////
思い出すだけで身体が熱くなる。
そして、夏風邪は長引くと言うだけあって、熱が下がるまでに一週間も費やした。
今日からテスト期間に入るので部活も無くなる。
朝練のお陰で早起きして出て行く飛雄も暫くは私と一緒に登校する……というかさせる。
数少ない弟との通学を楽しみにしている私がいた。
「飛雄! そろそろ出ないと遅刻しちゃうよーー?」
玄関で靴を履きながらリビングの弟に声を掛ける。
寝癖のたった姿で目をこすりながら出てきた飛雄を愛くるしいと思いつつも何度も急かしてみる。
試合中はあんなにきびきび動いているのに今はナマケモノより遅いのではないかと思ってしまう。