第9章 死産
死産宣告され入院する事になったこの日の夜、母が京都から妹を連れて来てくれた。
部屋に入ってくるなり「姉ちゃ〜ん!!」と抱き着いてくる妹にこんな状態でありながらもデレデレでした。
彼氏は「オレも泊まりたい!!」と駄々をこねましたが仕事がある為帰らせ、夕方仕事が終わった後に来させる事にしました。
母「身体大丈夫か?ダルかったりせん?」
凪「うん、大丈夫。今んとこなんともないよ」
母「妹も暫く保育園休ませて仕事も休暇取ったし、落ち着くまで母さんコッチ(神戸)おるわ」
凪「え、ホンマ!?けど大丈夫なん?あいつ(母の旦那)何か言うてこうへん?」
母「かめへんかめへん、ほっとったらええねん。娘が大変な事になってんやから」
凪「ま、何か言うてきたらあいつはホンマもんのクズやな」(笑
母「ホンマな」(笑
そんな話をして笑ってると女医さんが病室に入ってきた。
女医「凪さんのお母さんでしょうか?」
母「はい、そうです。今回は娘の事よろしくお願いします」
女医「はい、お任せ下さい。あとその事で娘さんにお話があってきました。お母さんもご一緒にお聞き下さいますか?」
母「はい」
そう言うと女医さんがこっちに歩いてきて、私の隣に立つ。
女医「○○さん。明日の処置のやり方ですが、帝王切開と強制出産どちらがいいですか?こちらとしては赤ちゃんは逆子で身体も大きいので帝王切開をお勧めします。けどイベントがあるなら練習もあるし、あまり入院してたら困ると思いますので、それなら入院期間の短い強制出産の方が○○さんは良いと思いますが……」
凪(そんな方法あるんやな……)
帝王切開を覚悟してたのに、まさかの選択肢が与えられた。
確かに帝王切開の方が簡単に処置は終わるだろうけど、帝王切開の場合は普通の出産と違ってお腹を切らないといけないから入院する期間が長い。
だったら……
凪「強制出産でお願いします」
強制出産は普通分娩と変わらないからすぐに退院出来る。
けど、もしかしたら帝王切開で取り出すより強制出産の方が何倍も辛いかもしれない。
でも、それで本番に間に合うならと、私は迷わず強制出産を選んだ。