第6章 安定期とイライラ
私は元々短気でキレやすい性格だった。
中学まではすぐにキレてしょっちゅう喧嘩していた。
けどあの学校に入学して芸能の事を学んでいる内に、短気は治まった。
イラッとくる事はあったけど、本気でキレた事は一度もなかった。
けど、流石に今回は…ね?
周りの人に大声を出した事を謝って、他のメンバーには遅くなったけど激励の言葉を掛けた。
その子は暫く泣いてたけど、声を掛ける気になれず放っておいて着替えてさっさとダンス教室を出た。
これが1日目の話です。
この件に関しては前々から本番でも何かしでかすんじゃないかと予想してたので、まだよかった。
けど、2日目に予想外の展開でまたイライラさせられる事になるんです。
文化祭、2日目…。
この日は1日目より店が忙しく、お客さんが大勢来ました。
焼きやトッピングが追い付かず、仕方なく私も入って手伝ったのですが、メンバーが最悪でした。
人数の関係上三人でシフトを組んでるのですが、会計にクラスの問題児が入ってたのです。
自己中で影で人の事をボロクソ言う様な奴で大嫌いでした。
もう一人は私の相棒だったので少し安心しましたが、その安心は見事打ち砕かれました。
会計の自己中女…メガネ女子は自分から「会計をやりたい!」と言ったクセに、全然計算が出来なかった。
おまけに今までのお金の集計が記録出来てなくてあとで文化祭委員に怒られました。
それでトッピング係の相棒に「会計やって!」と丸投げしたんで相棒もパニックでした。
相棒は結構人見知りをする子で、人と話すのが苦手だった。
それに仕事もお世辞にも出来る方とは言えず、アタフタしてお客さんを怒らせてしまったんです。
その時プチパンを焼いていた私はそんな状況になってるなんて全然知らなかったので、お客さんの怒鳴り声で初めて大変な事になってる事を知りました。
私も仕事が出来る方ではなく、どちらかというと鈍臭くてやらかす方なのですな、とにかく焼きを一旦放置して相棒とメガネ女子を押し退けお客さんに頭を下げ謝りました。
二人には「焼き見といて!」とだけ言ってパパッと用意して会計を済ませ、もう一度謝ってそのお客さんは終わりました。
後ろにも人が沢山並んでいて、仕方ないので焼きもトッピングも会計も並んでるお客さんが全員終わるまで全部私一人でやりました。