第4章 理由
彼氏「凪ってなんで子供欲しいって思わんかったんや?妹は溺愛してんのに……」
学校帰りの夜、二人でファミレスで夕飯を食べていると彼氏が突然そんな質問をしてきた。
私には11歳年下の妹がいるのですが、歳が離れてるからか凄く可愛くて、遊びに来た時はよく服とかオモチャとか貢いでました。
だから子供が嫌いかと聞かれればそうではない。
そんな好きでもないが…(自分の子供は別)。
凪「欲しくなかったわけやないねんけど…やっぱ不安やねんよ。ちゃんと育てられるんかとか……」
親を悪く言うわけではないですが、私がこんな風に不安になるのは自分の親を見ているからっていうのもあるんだと思います。
第3章の『学校と親』でもお話ししたように、母は私が産まれてすぐ離婚し、当時私が住んでた家…母からすれば実家に住んでいたんですが、保育園に私を預けて自分はレストランの仕事に行っていました。
そして夜になると迎えに来てくれるのですが、たまに夜から仕事の時があって、私を祖母と叔父に「面倒見といて」と行って仕事に行く事もありました。
それでもまだ祖母と叔父がいる時は良かったんです。
問題は祖母も叔父も家にいなくて、母が仕事で夜から次の日の朝まで一人でいる事です。
それに母はその頃たまに仕事と嘘をついて男の人と遊びに行ってる事がありました。
その間私は一人家で母が帰ってくるのを寝ずに一晩中起きて待ってました。
だから朝帰ってきた時はそれはもう喜びました。
それが原因で母はよく祖母に怒られていたのを今でもよく覚えています。
「母親としての責任感が足りない!!」とか「凪の事もっと考えろ!!」とか言われてました。
あの頃は私を放ったらかして遊んでいた母に恨みすらありましたが、流石に自分の母親が目の前で怒られている光景は嫌でした。
それに、あの頃は母も若かったし遊びたかったんだろうと思います。
主に若い母親によくありがちな事(母親なら誰でもあるんだろうけど…)の一つに、『たまには子育てを休んで遊びたい』というのがありますが、あの頃の母はまさにそれだったんだと思います。
私だって自由な時間がなくなるのかと思うと子供を産むのを躊躇しました。
だから今は母の事は恨んではいません。
寧ろ大好き過ぎて辛いです←(つまりラブラブ 。