第23章 目覚めの時間
病院についてから
私は、二人よりも先にケイトちゃんの病室に向かった。
他にも、寺坂君や浅野君が来ていたみたいだけど…
それよりも、今は……
そろそろ起きてないかなって、思ったんだ。
そうして、病室の扉を開けると…
未だに、横たわったままのケイトちゃんが目に入った。
それと同時に…
ずきっ
胸が、痛んだ。
私が、あんな風にしなければ…
自然にすさまじい勢いで治る体質…
始祖神を祖先に持つ一族の中でも、千年に一人しか現れないぐらいのもの
それがあったからこそ
あれだけ、私と話すことができた。
本当に…心から救われた。
紅葉狩りの時…
プールで泳ぎを教えてくれた時
いつでも、満面の笑みを向けてくれた。
とても眩しくて、とても嬉しそうで…
明るくて、優しくて…何より、温かくて……
本当に、ずっとこのままでもいいって思えるくらい…
なのに私は…
『死んじゃえばいいのに!!!』
違う
『苛立ってた!』
違う!!
『死んで!!』
嫌だよ…
ケイト『大丈夫…大丈夫だよ』
その後、同時に響いた。
あぐり/ケイト『あかり^^/カエデ^^』
『!姉ちゃん!;』
それに思わず叫ぶ中
触手は、ケイトちゃんの胸を貫いた。
それまでの間、ずっと抱き締められていた。
そして、その時に…
過労に陥って動けなくなるほど、力を送り込んでくれた。
護り抜いてくれた。
謝ったとしても、治ったって…
逆に感謝してくれた。
だましていたことだって…
私という人格そのものが、大好きだって言ってくれた。
それでも…
やっぱり、胸が痛んだ。
実際に、話さないのと話すのだと天と地ほどの差がある。
だって…
本人の言葉を聴けないんだから。