第22章 分裂の時間
カルマ「…ギブ。降参。
…俺の負けだよ、渚」
そう、肩を手で叩くと
渚「うああああ!!!」
より強く、しめにかかっていった。
カルマ「うっ…!!聞けって!!」
烏間「そこまで!
赤チームの降伏により、青チーム・殺さない派の勝ちとする!!」
そんな声と共に、歓声に包まれる中…
渚「勝った…の?カルマ君に…」
カルマ「素手でこんだけ根性見せた小動物を相手に
ナイフ使って勝ったところで、誰も俺を認めないわな。
ナイフを使わずに格闘技で俺に勝つ。
俺を殺すには、それが最適解だったとはね…
完敗だ。
殺せんせーを助けたいんだろ?言うこと聞くよ。
ボコボコの顔でアホみたいな面してんなよ。
伝染病にかかったネズミみたい」
渚「何でそんな悪口はスラスラ出てくんのかな…カルマ君は」
カルマ「てかさ…いいかげん、俺ら呼び捨てでよくね?
渚(微笑」
そう立ち上がりながら
座り込んだままの渚に、俺は右手を差し出した。
カルマ「そっちが呼ばなきゃ、こっちが勝手に呼び続けるけど?」
渚「…わかったよ、カルマ(微笑」
その手を取って、立ち上がる中…
殺せんせー「本気で戦った者同士だからこそ
普段は相手に見せない部分まで、理解し合うことができる。
時に闘争こそが、皆の仲を最も深めるチャンスになるのです」
殺せんせーの声が、耳に入った。
それから、夕方…
烏間「戦って決めたクラスの方針に異論はない。
ただし、助ける方法を探すにしても条件がある。
探す期限は今月いっぱいまでだ。
約束してくれ。
1月の結果がどうなろうと
2月から先を、全力で暗殺に費やすと…
生かすも殺すも、全力でやると」
『はい!!』
そう叫ぶ中…
もう、時間は既に夕暮れになっていた。
そうして…
病院に向けて、俺は歩き出した。
今日の結果だけじゃない…
他にも、いろいろ報告したいことができたから……
ただ、一人だけで進むはずの道が変わった。
その道についてくる人が、二人ほど増えた。