第17章 空間の時間
カルマ(渚君が昔からよく言ってたっけ…
渚「ハァ(溜息)…
同じ人間なのに、どうしてここまで差がつくんだろう;
やっぱカルマ君は才能が違うね^^;」
よく言うよ。
俺に言わせりゃ、本物の天才はどっちだって話。
(鷹岡を倒す渚の姿が、脳裏に浮かぶ)
要するに
人間は皆、他人の見えない部分を『才能』と呼ぶんだ。
杉野みたく、あっさり人の輪に入っていける奴。
奥田さんみたく、好きなことにはバカみたいに没頭できる奴。
寺坂みたく、何にも考えないで動ける奴。
ケイトみたく、相手のことばっか考えて尽力する奴。
どんな奴にも、俺には見えない才能の領域があって
そういう意味じゃ、皆同じなんだ。
問題は、俺の才能でこの問題が見えるかだけど…
やっべ…
これ、絶対時間足りなくね…?;(青ざめ))
そう、カルマが額に両手を当てながら考えて青ざめる中
浅野は…
『他のどの原子よりもAoに近い点の集合がつくる領域をDoとする。このとき、Doの体積を求めよ。』
という点に、着眼していた。
浅野(問題の要点は至ってシンプル。
敵に囲まれたこの箱の中で、自分の領域の体積を求めるんだ。
立方体の中は、8体の敵に囲まれている。
つまり、封印エリア8個分の体積を求め
立方体から排除した残りがAo…僕の領域!
この空間を完璧に把握すれば…正解となる!!)
ズドドドドドドドド
モンスター「アキャキャキャキャ!!ギャ!!グェ!!」
浅野(今の父は
自らの合理教育が正しいことを証明するのに取りつかれている。
僕が間違いを正し、説教してやる!!
支配すること…
それが僕の親孝行だ!!
見えた!!(微笑)
封印1個の体積は、三角錐3つと六角錐1つの集合体だ!!)
そうして、浅野は計算式を次々に書き連ねていった。
そんな中、カルマは…
浅野とは違うことを考えていた。