第16章 期末の時間 2限目
味方が、誰一人としていなかった。
誰も、助けてくれる人がいなかった。
それは、4年の
一つの教室の時であって、今ではない。
昔とは違って、望んでくれる人たちがいる。
相談できる人がいる。
それまでの私は、きっと先が視えていなかった。
持つことさえも、投げ出していた。
この先、生きていていいわけがない。
父方の祖父母を失い、両親までも失って
それらも全部、自分のせいだって思っていたから
余計に、そう思ってた。
誰かに、この感じた負も与えていいはずがない。
分け与えて、逆に負担をかけることを嫌だと感じていた。
それが続くなんて、思いたくもなかった。
でも、それは違っていた。
倒れて、初めて気付いた。
心配する人たちが、すぐ傍に居ること。
望んでくれる人が、すぐ近くに居たこと。
考えていいんだ。
将来のことを考えて、にやついたってよかったんだ。
何年後かのことを考えて、夢を見たっていい。
できる範囲で、無理のないように…
無茶して倒れることを、望む人はいない。
だから…
少しでも前向きに、とらえていけたらって思った。
『嫌な目に遭った。
それはよかった、今日はこれ以上嫌な思いをしないで済む』とか
その時だけと区切って
逆に生かす方に捉えられれば、逆に自分をより大きく出来る。
憎んでいても、恨んでいても、結局は何も解決しない。
その出来事と向き合い
その上で許さなければ、いつまでも憂鬱が付きまとい続ける。
どれだけ気に病んだとしても
それらは時間を無駄に浪費し、体力や気力を消耗するだけ。
それよりも、まずは
その時に感じた、どうにもしようがない溢れた感情を受け流す。
受け流してから、考える。
自分にしか出来ないやり方で、乗り越えるために…
そうした後からでもいい。
見据えるべきものを見据え、これからを生きていくのに生かせられれば…
それだけで、より理想の自分に近付けるから。