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非日常パラダイス・第二部【暗殺教室】

第6章 紡ぐ時間




だってそうでしょ。

いっつもいっつも…人のことばっかじゃんか。


人のために
言われなかったとしても、それこそ必死に動いて…

相手は、そんなに考えもしてもくれやしないのに……


それでも
損得勘定関係なしに、勝手に走っていく。

相手が笑っているのを見たいから、それが好きだから…


それが、自分が一番できなかったものだから……



気付けば、生き生きとした顔はなくなっていた。

まるで、疲れ切ったかのような…
とても辛そうな、しんどそうな顔をしていて……


それでも、倒れるまで何も言わなかった。

言ったとしても、それは楽しめるようなないように改変して…


ただただ、相手のことしか考えてなかった。

安心できるように、無茶ばっかりしまくって…


倒れそうなのに、倒れそうじゃないように見せようとしたり…



それでも、今ではちゃんと話してくれている。

嘘も全くない。
ありのままの自分って姿で、向き合ってくれている。


ちゃんと理解したうえで

ありのままの自分をぶつけてくれている。



それが、俺にとっては嬉しいし

その方が、とても幸せを奥深く感じられた。



だから俺は…

少しでも、長く生きて欲しいんだ。


ケイトには…



俺の命を、小さい時に助けてくれた。

(第一部・126~128)


だからこそ俺は、入学してからずっと気がかりだった。

気付いて、話しかけてきて欲しかったけれど…



でも、それはなかった。

ケイトにとっては…
ただ、失いたくない命ってだけだから。


当然のことをしただけって感じだった。



やりたいことも、望みも、希望も、
何かをしたいって欲も、絶望も、怒りも、恨みも、憎しみも…

心も感情も……


自分の全てを、殺して生きてきたからこそ…

それを視ていられないと言ったようにも見えたんだ。


だからこそ、人に何されたって

何でもかんでも許したんじゃないのかって思う。



辛いはずなのに、苦しいはずなのに…

無理して、笑顔を作って…
気を使わせまいと、必死になってる。


俺は、そんな恵土をもう見たくない。



あの昼休みの時のように、やりたい放題でもいい。

負担が大きくなるとか、気負い過ぎなくていいから…


ありのままの、生き生きとした

明るく笑うケイトを護りたいんだ

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