イケメン王宮、真夜中のシンデレラ/ALLキャラ短編集
第5章 二人のハロウィン~レオ編~
―――今日は10月31日―…
朝食を終えた私は、今日もレオが待つ執務室へと向かっていた。
―――ガチャ―…
「レオ、おは…」
レオ「ユヅキちゃん、トリック・オア・トリート!!」
「え…?」
扉を開くと、私が挨拶を言い終わる間もなくレオが目の前に飛び込んできた
「レオ、その格好…もしかして吸血鬼…?」
レオ「うん、そうだよ。今日はハロウィンだからね」
そう言ってニヤリと笑ったレオに私は思わず見とれた
(レオの吸血鬼姿、似合ってるな…格好いい…)
いつもと違う彼の姿に、私は高鳴る鼓動を隠すように俯いた
レオ「ところでユヅキちゃん、お菓子くれないの?」
そう言ってレオは私の前に手を差し出した
「えっと…今日がハロウィンだってこと忘れてて、お菓子持ってないの…」
そう言って私が困って眉を下げると、レオは目を細めて意地悪な笑みを浮かべた
レオ「じゃあユヅキちゃんに悪戯してもいい?……せっかくなら俺、吸血鬼だからユヅキちゃんの血を貰おうかなー?」
そう言ってレオは私を抱き締めながら、じっと見つめた
「…っ、私の血なんて美味しくないだろうしダメっ…」
恥ずかしさのあまり、私はレオの腕から逃れて机に向かったが、レオに後ろから抱き締めて捕まえられてしまった
「…っ、レオっ……?」
思わず私が振り向くと、レオが耳元に甘い声で囁いた
レオ「…ユヅキちゃん、逃げられると捕まえたくなるものなんだよ」
「え…?レオ?」
私が思わず首を傾げると、レオは愉しそうな笑みを浮かべながら私の首筋へと噛みついた
「んっ…、レオ…ダメ…っ」
レオに甘噛みされた私の首筋からは、僅かに血が滲んでいたがレオはそれを舌で舐めとり、吸い付くようにキスを落とした
レオ「ユヅキちゃんは血まで甘くて美味しいよ…もっと味あわせて」
そうしてレオから与えられる甘い刺激に、私は身を委ねていった