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【イケメン幕末】春を呼ぶ嵐のように(R18)

第2章 名前を呼んで(篠宮END)


バタバタと慌ただしい足音が聞こえたかと思うと、
恭が息を切らして走ってきた。


恭「あぁ、先輩!やっぱりここにいた」

「篠宮くん、どうしたの?そんなに慌てて…」

恭「四季がなんか知らねぇけど急に忙しくなって…とにかく俺だけじゃ無理だから、早く!!」

「えっ、大変!ごめんなさい皆さん、私戻ります!」

土方「お、おう…」


見送る言葉をかける暇もなく、は恭に引っ張られ屯所を出て行った。





「大丈夫?先輩」

「はぁ、はぁ…うん、平気」


屯所を出て少しすると、恭が立ち止まって肩で息をしているを気遣う。


「それより、早く戻らなくちゃ…」

「あ、それ嘘」

「…え?」

「暇で仕方なかったから、店閉めて来たんだ。そしたら、先輩が困ってそうだったから、一芝居うってみた」


そういうと、恭はいたずらっぽく笑った。
その顔をみて、もつい笑ってしまう。


「ありがと、篠宮くん」

「…っ…うん」


にお礼を言われて、恭は照れ臭そうに頬をかく。
そのまま二人で四季に戻ると、篠宮の言っていた通り、暖簾がはずされ店内は薄暗かった。


「ふふ、たまには早く閉めちゃうのも悪くないね」

「だろ?たまには、先輩もサボっちゃえよ」


二人で笑いあいながら、残った片付けを済ませていく。
あとは、台所の洗い物が少しと、翌日の仕込みだけだ。


「先に終わらせちゃおっかな…」


は独り言のように呟くと、翌日客に出すための料理の仕込みを手際よくやっていく。
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