第1章 名前を呼んで
近藤「なんだ、とし。と話があるんだ。
邪魔するな。」
土方「…近藤さん。あの仕事なら俺が行く。」
近藤と土方の間に挟まれ、訳が分からないは、それでも二人の間に流れるピリピリとした空気に、口を挟むことができない。
沖田「…二人とも、さんが困ってますよ。」
いつもの笑みを浮かべた沖田が、
廊下を山崎と共にやってきて、
ごく自然な手つきでを自分の方へと引き寄せ、後ろから抱きしめる。
近藤「なっ…総司!」
「お、沖田さん?」
沖田「さんは、俺と行きたいそうです。
…ね?」
「何に… んっ!」
沖田が、の耳にふっと息をかけ、
反射的に声を上げてしまったは、
恥ずかしさに真っ赤になる。
土方「総司っ!!!」
山崎「……っ」
鬼のような形相の土方が、
耳弱いんですねぇ、と楽しそうに話す沖田をべりべりと引き離し、
山崎は赤くなりながらも、を自分の後ろに庇ってくれた。
山崎「さん…大丈夫か。」
「…ありがとう、山崎さん。」
山崎「…っいや…」
山崎に笑いかけたにさらに赤面した山崎を、沖田が面白くなさそうに見る。
沖田「…へぇ、山崎のくせに、さんと仲が良いんだ」
山崎と沖田の間にも、何やら雲行きの怪しい空気を感じ取ったは、
なんとかこの状況を打開しようと、一歩前へ出た。