第14章 思いやり
「そういえば柏木はどこで寝るんだ?
大人は大部屋だし、俺らは学校ごと雑魚寝。
他校の女子と同じ部屋か?」
「…分からないです。
何も言われてないんで」
「え、そうなのか?」
「はい」
「弱ったなー。
聞きに行こうにも多分先生達居酒屋だし、未成年入れないしな」
「旭さん、出番っすよ‼︎」
「え…俺?」
「そっす。
旭さんなら未成年に見えませんから!
あ、良い意味でですよ?」
「あ、ありがとう…西谷」
「大丈夫ですよ。
もしバレたら退学ものですよ?
場合によってはバレー部自体廃部になるかもしれませんし。
私はなんとかしますから」
「…なんとかします、か」
「はい?」
菅原先輩が暗い顔で呟いた。
「1人で頑張るのも良いけど、あんま抱え込み過ぎんなよ?
いざとなったら俺らも力貸すべ。
もっと先輩を頼ってね?」
ポンポン、と頭を撫でられた。
「…はい」
頼る…か。