第14章 思いやり
皆の布団を敷きに部屋へと戻る。
「もうすぐお風呂空くそうですよ」
確か上級生からだった気がする。
「おう」
布団準備しよ。
「手伝うよ」
後ろからスッと手が伸び、運ぼうとしていた布団が手元から消えた。
「そんな、悪いですってば。菅原先輩。
練習で疲れてるのに…」
「疲れてるのはお互い様だろ?
こういうのは男に任せとくべ」
ニカッと笑った。
「あー!またスガさんは!
抜け駆けっすか⁉︎」
「別に下心がある訳じゃないんだから、抜け駆けじゃないだろ?」
軽々と布団を運びながら言う。
「そりゃーまぁ、そっすけど…」
ただ見てるだけじゃ申し訳ないよな。
「だから大丈夫だって。
少しだけど、休んでて良いべ」
「…すみません」
「ここは “ すみません ” じゃなくて “ ありがとう ” だろ?
俺はそっちの方が嬉しいけど」
「ありがとうございます、菅原先輩」
「おうっ」