第2章 顔面レシーブ
「うぉーーっ!
すみませんっ、遅れましたー」
「日向遅ェぞコラ!」
「すみませんっ、田中 “ 先輩 ” 」
「ッッ⁉︎
先輩…せんぱい…センパイ…。
うぉーし、許してやらなくもない。
この優しい田中先輩がな」
「あざーっす」
「あれ、日向どうした?
おでこ腫れてるべ」
こういうのを目敏(ザト)く見つけるのが菅原さん。
3年生で成功するといつも褒めてくれる優しい先輩。
「あー…。
殺人サーブ顔面で食らいました」
「さっ、さつ…さつ…殺人…‼︎
まさか…か、影山が?」
「そんなことしないっすよ、東峰さん」
コート外では小心者の東峰さん。
試合になった時の気迫はなんとも言えない、いつも言葉でフォローしてくれる先輩。
「速さには追いつけたんすけど。
ギュンッに負けて、バシッとなって、ギャンッみたいな?」
最早日本語かどうかも怪しい。