第8章 休息
「あ、やば。
今何時だっけ?」
バッと時計に目をやる。
「お昼の準備しないとだから、これ返す」
ボトルを押しつけ、食堂に向かって走り出す。
武田先生への報告と、昼食作り、テーピング、ドリンク作り、タオルの補充。
まだまだやることは沢山ある。
休んでなんかいられない。
「失礼します。
武田先生、そろそろ…」
「あぁぁ、任せっきりですみませんっ。
僕お昼作りますから休んでてください」
「こんな時間だと1人じゃ大変ですよ」
面倒だけど。
「すみません、お願いします」
並んで食堂に向かう。
「どうでした?練習試合は」
「惨敗ですよ、全戦全敗。
4人がちょうど来た時に午前の予定は終わりました」
「やはりそうですか」
分かっていたような表情。
「分担してやりましょう、先生」
「そうですね。
なんか頼もしいですね、柏木さん」
「そんなことないですよ」