第54章 スペシャリスト
「ッ……てェ…」
グッ、と肩に置かれた手に力が入る。
「あと5分です、頑張ってください」
「お、おぉ。
(あと5分とか冗談じゃねー。
早く終われ…!!)」
波瑠が手を動かし、力を込める度夜久の身体が強ばる。
「はい、終了です」
「おう…さんきゅ…」
「おーい、黒尾ー、お前んとこのリベロ大丈夫かー??」
「あー?
あーらら、やっくん撃沈じゃん」
「夜久さん、マッサージで根を上げるんですか?」
「リエーフ……お前いっぺん受けてみろ」
「はぇ?」
「柏木さん、悪いけどリエーフにも同じの頼むわ」
「あ、はい」
「そんなん全然よゆーっすよ!
俺の男気見せてやりますよ!」
「じゃあ、始めるね」
手を宛て、マッサージを施す。
「いででででで!?
死ぬ!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!
ギブです波瑠さん、ギブアップ!!」
リエーフくんが暴れる。