第52章 勝負とプールと企み
「どうかしましたか?清水先輩」
「烏養さんから聞いたの、これからプール行くんでしょ?」
「はい、皆でですけど」
「私達マネージャーも泳いで良いって言ってたよ。
水着は向こうで借りられるみたい」
え、泳ぐの?
「よ、良かったですね」
「波瑠ちゃん?」
「私は今回は遠慮しますけど、清水先輩達は楽しむと良いですよ」
「…分かった」
水着って身体のラインがはっきり出るから嫌なんだよな。
筋肉質だし、腹筋も何気割れてるし。
あんまり人前で見せたくない。
「じゃあそろそろ移動するみたいなので、簡単な荷物だけ準備して来ますね」
「うん」
清水先輩はそれ以上聞いて来なかった。
分かった、というまでに若干の空白があったから何かしら思うことはあるのだろう。
けどそれを口にしない。
清水先輩の優しさだ。