第52章 勝負とプールと企み
休憩時間、試合後ということもあり通常よりも長めに取ってある時間の過ごし方は人それぞれ違う。
そんなことは当たり前のように思ってたけど、こうもバラバラだとは思わなかった。
飽きずバレーしてる人、寝てる人、騒いでる人、怒られてる人、怒っている人、謝っている人。
もちろんきちんと休んでいる人も居るが、実に様々だ。
「…個性が強い」
「あ、るぅ、あのね…」
「おーい柏木、ちょっと良いか?」
「あ、烏養さん。
すみません及川先輩、またあとで必ず」
「あ、うん。
良いよ、行ってらっしゃい」
何か言いかけたけど、良かったのかな。
「どうかしましたか?」
監督やコーチ達で集まっていた。
「いや、午後市民プールを使えることになったんだが、どうすべきかと思ってな」
「そんなの使えば良いじゃないですか」
使えるものは有効に活用すべきだ。
「体育館はいつでも使えますけど、プールは早々使えるものじゃないですよ」
ましてやこの大人数で。
「それも確かにそうだな。
しっかしあいつらになんて伝えるべきかな」