第44章 夜道
合宿所に着いてすぐ、梟谷の入浴時間が訪れた。
順番は1日ごとズレていくらしい。
私も部屋へ戻らないとな。
「波瑠…」
「どうしたの?研磨くん」
「俺のスマホ…知らない?」
「落としたの?」
「…多分。
こっち戻って来て…見てみたら…なかった」
落ち着かなそうだな。
「…それって黒色だったりする?」
「うん…そう」
「じゃあ多分知ってる、体育館に落ちてた。
ちょっと待ってて、持って来るから」
研磨くんが電子機器を落とすなんて珍しいな。
携帯とかゲーム機とか絶対失くさなそうなのに。
「あ、仁花。
体育館にあった携帯って今持ってる?」
廊下ですれ違った。
「あ、うん。
持ってるよ、はい」
「ありがとう。
持ち主分かったから返して来る」
「はーい」