第44章 夜道
夜久さんと仁花と並んで体育館へと向かう。
仁花は緊張しているのか、相変わらず動きが堅い。
「夜久さん、本当は忘れ物なんかしてませんよね」
「…バレた?」
「バレバレです」
「ああでも言わないと納得しないと思ったからさ」
「流石に3年生はよく見て、よく知ってますね」
「それはお互い様だろ?」
第1体育館は鍵がかかっていなかったので中に入れた。
「あ…」
電気をつけると、いくつかの忘れ物が確認出来た。
サポーター、タオル、ペットボトル、携帯。
それらを拾い上げ、体育館を見回し他に忘れ物がないことを確認すると体育館を出て鍵をかけた。
次は第2体育館か。
「…電気点いてる」
「バレーの音もするな。
誰だ?こんな時間までやってる奴は」
ガラッと重たい扉を開ける。
「あかーし!もう1本だっ」
「はいっ」
京治くん、結局見つかっちゃったんだ。
「…ん?」
気になることがあり、声が低くなる。