第43章 実力
「でも芝山くんの代わりも夜久さんには出来ない」
「え?」
「回りくどい言い方かもしれないけど事実だから。
リベロの代わりは居たとしても、芝山くんの代わりは居ない。
周りが巧いとか、そういうの関係なくない?
周りが格上なら良いところを吸収してしまえば良い。
練習を重ねて抜かしてしまえば良い。
個人がチームを抜いて、チームも個人を抜く。
それを繰り返せば最強のチームになれる。
そう思わない?」
「…そうですね。
あ、れ…?」
「あ、ごめん。
言い方キツかった?」
頷く芝山くんの目には大粒の涙が溜まっていた。
「い、いえ!
こういう風に怒られたの、久しぶりで…。
先輩は良い人ばかりなんですけど、厳しく怒られたことなんかなかったから」
ない?
「リエーフくんが怒られてるのよく見てるから厳しく指導してるのかと」
「基本褒めて伸ばしてくれるみたいで」