第42章 ペナルティー
気迫というか、 “ 強い ” と思わせる何かが感じ取れない。
ここは花巻さんにだけトスを上げて、なんとか耐えるしか。
「お待たせしました」
「おかえりー、サポーターあった?」
「はい」
「じゃあ始めようね。
先サーブどうする?」
及川先輩の表情がガラリと変わる。
普段のにこやかな表情から一転、今は相手を射抜くような顔だ。
「そっちからで良いんじゃね?
なぁ、柏木」
「そうですね。
久しぶりに及川先輩のサーブ取ってみたいです」
「おーけー」
「おい、思いっきりいけよ」
「分かってるよ。
中途半端が通じる相手じゃないってことは」