第42章 ペナルティー
「あの…岩泉さん」
「どうした?矢巾」
「あの子、一緒に入れても大丈夫なんですか?
女の子だし、それになんというか…」
「モノグサでサボリそう、って?」
「いや、そこまで言ってないです」
それじゃまるで俺が悪者だ。
「まぁ、るぅはうちに居ないタイプだからね」
「だって女の子ですよ?」
「なんか問題でもあんのか?」
「ありありですって。
女の子と試合なんて、不利に決まってますよ。
見るからに…その…非力そう…ですし」
「あいつが非力?
ねーって、ンなこと絶対ェな」
「そりゃ観察力が優れてるのは分かりましたけど…」
「ま、口で言っても分かる訳ないか。
いーよ、信じなくても。
試合になれば嫌でも分かるから。
柏木の凄さ」
「…はい」
「あ、それとね。
るぅの得意な高さはここで、距離は大体この辺かな。
参考にしてね」
そんな高さ…女子に届く訳…。
買いかぶりですよ、らしくもない。
確かに観察とかマネージャーの仕事は凄いけど、それ以外は全くやる気すら感じられない。