第6章 才能
「頭良くて、背高くて、バレーも上手いとか。
なんか不平等だろー、色々と」
部活後の勉強タイム、私を羨ましそうに見つめる日向くん。
「1つ高校入れなかったけどね」
「「「え?」」」
「うっそ、どこ?」
「白鳥沢。
色々あって入らなかったの。
出来れば飛雄とは離れたかったんだけど」
「それは俺のセリフだ!」
「何々、どういうこと?」
ズイッと間に入って来た菅原先輩。
私達がそういうことが苦手だと知ってやっているようだ。
「腐れ縁なんすよ」
いつから一緒に居るか分からない。
小学校に上がる以前から、高校まで見事に同じだ。
「いぃぃ、行きますよね⁉︎」
突然部室のドアが開いた。
「行くって何がですか?」
こういう時に冷静に話を進めるのが3年生でキャプテンでもある澤村先輩だ。
「音駒と梟谷の練習!」
確か…東京の古豪である音駒と、同じく東京の強豪梟谷。