第40章 順応性
「スパイクは助走で走るし、ジャンプもあるしで結構疲れるんだよ。
まぁ、疲れない練習なんてないけど」
「…」
これを教える為に飛雄と組ませたんだけど、ちょっとやり過ぎたかな。
少し反省。
「あっ、研磨さん!」
ゼリーを咥えながら体育館に入って来た研磨くんを目ざとく見つけた。
「研磨さん!
俺やっぱ研磨さんのトスが良いです!
俺にトス、上げてください」
復活早いな。
無言で首を横に振ると、少し怯えた目を飛雄に向けたあと隅へと移動した。
日向みたいなタイプは良くても飛雄タイプは苦手か。
コミュニケーション能力の問題かな。
「影山!
次、俺にトス上げてくれ」
「おう。
10本やそこらでヘバるんじゃねぇぞ」
「当然だ!」
飛雄の基準は自分だし、それに加えていつも練習してる相手は日向だし。
そりゃ普通の人はついていけないわな。