第40章 順応性
「向こうも色々大変そう。
やっぱり主将居ないと無法地帯になってるし」
はぁ、と溜め息を吐く。
「た、大変だね…」
「でしょ?
まぁけど、色々と楽しいよ」
クスクスと笑う。
「ふぁ、可愛い…」
「私研磨くん探してくるね」
「あっ、うん」
研磨くんが居そうな場所ってどこだろう。
とりあえず人気が少なくて日陰なところかな。
思い当たるところは1つ。
「あ、居た。研磨くん」
案の定、そこに研磨くんは居た。
「!」
ビクリ、と肩を震わせた。
「あ、ごめん。
驚かせちゃって」
「別に…大丈夫」
「体育館戻らないの?」
「体育館蒸し暑いし…あと翔陽とかリエーフとかがトス上げてって煩いから」
「確かにここ風通し良いからね」
冷たい風が髪や肌を撫でる。
研磨くんはちゃんと上着着てるし、身体が冷える心配はしなくて良さそうだ。