第39章 救世主
「囲いに慣れてない女の子なんだから、気をつけてくださいね」
「波瑠ちゃん〜‼︎」
「ああ、そうか。
女の子からしたら俺らバレー部は大きいからね。
ごめん、怖かったかな?」
「いっ、いいえ」
「仁花、ビブス」
「あっ、は、はい」
「白が梟谷、赤が音駒です」
「ありがとう」
フワリと微笑む京治くん。
「ありがとうな」
夜久さんもビブスを受け取る。
「ありがとう、波瑠ちゃん。
助かったよー、もう波瑠ちゃんは神様だよ!
救世主だよ」
「大袈裟だから」
「へいへいへーい!
早く練習始めようぜ」
「ひっ…」
「お?どうした?」
「木兎さん、普通の女の子はこういうのに慣れてないんで気をつけてくださいね」
「こういうのって、どーゆーのだ?」
「いきなり距離を詰めるのです」
「おー、なるべく気をつけるな」