第38章 バレー部
「黒尾さんだと絶対からかうと思って。
とにかくそういうのが通じない女の子なので、下手にイジられると困るんです」
「そういうことなら仕方ないな」
「おーい、聞こえてるぞ」
「聞こえるように言ってますから」
「黒尾はからかうのが好きだからな」
「一応梟谷の京治くんにも言ってあります」
「京治?」
夜久さんが首を傾げる。
「赤葦のことだな、セッターの」
音駒の皆と話していると、複数の足音が聞こえる。
青城かな。
近くまでバスで来たらしい。
「あー、そういやこっちの高校も1つ参加すんだっけか?
どんなチームだ?」
「県ベスト4です。
北川第一っていう強豪校の大部分が進む高校ですかね」
「ふーん、強ぇのか」
「系統としては音駒にそっくりですよ。
柔軟性&安定感。
穴がなくてすぐに対応して来るチームです」
「ほー、レシーブが得意なのか?」
「どうですかね。
セッターの及川先輩の実力は県内1と言っても過言ではないですよ。
エースはパワー系スパイカーです。
黒尾さんと研磨くんみたく息が合ってます。
いわゆる阿吽の呼吸、というやつです」