第35章 顔合わせ
「蛍って誤魔化すの下手だね」
誤魔化したり、嘘をつく時、首を触る癖がある。
「誤魔化してないから」
言いにくいことなのかな。
だったらあまり深く聞かれたくないよね。
「気のせいだったみたいだね。
なんでもない、忘れて」
「お疲れ」
「お、お疲れ様です」
ドリンクとタオルが配布される。
「柏木さんは皆さんと一緒に走るんですね」
「あぁ、うん。
道中で急病人が出ても対処出来るようにって。
波瑠ちゃん、マネージャーの仕事以外にも色々任されてるから」
「色々⁉︎
凄いですね…私なんてとても…」
「人と比べない。
仁花ちゃんには仁花ちゃんにしかない良さがあるんだから」
「清水先輩…!」