第31章 再会
攻防は続き、20対24。
こちら側のマッチポイントだ。
あと1点決めれば試合は終わる。
リエーフくんのスパイクに研磨くんが咄嗟に触れた。
「研磨がファーストタッチ!攻撃は単調に…」
山本さん、そんな考えは甘いよ。
「犬岡くん!」
犬岡くんにトスを上げる。
犬岡くんのジャンプの最高到達点にボールを届ける。
私はダイレクトデリバリーしか上げられない。
機動力のある犬岡くんなら間に合うと踏んで賭けたのだ。
リエーフくんのブロックの間を抜き、スパイクが決まった。
「リエーフ!
万歳ブロックすんなっつーの。
真ん中抜かれてんじゃねーか」
「すいませんっ」
なんか謝ってばかりだな、リエーフくん。
1セット25点マッチだからこれで試合は終了。
「かぁー、負けた」
勝ったけど、疲れたな。
「でもトスまで出来ちゃうなんて、本当ハイスペックだな」
「そんなことないですから」