第31章 再会
「あぁぁ、すいませんっ」
「バカリエーフ!
腕だけで取ろうとすんな、弾かれるぞ」
「はいっ」
黒尾さん凄いな。
自分も動きながらなのに周りをよく見ていて、的確な指示やアドバイスを出す。
2球目。
ボールを高く上げ、助走をつけてからサーブを打つ。
「夜久!」
「任せろ」
早くも私の狙いに気づいた黒尾さんがリエーフくんを退けさせ、代わりに夜久さんにレシーブさせる。
「…そんな綺麗に拾われると自信失くすな」
綺麗にセッター位置まで返された。
黒尾さんがトス代わりにレシーブし、山本さんがスパイクを打つ。
「うぉぉ‼︎」
ドゴンッ、と何にも妨げられることなくコートに落ちた。
「ごめんなさい、すみませんっ」
芝山くんが取れなかったのだ。
「おっしゃあ‼︎」
これで同点。
サーブも2本で切られたし。
本当はもう少し取るつもりだったんだけど、残念。