第30章 告白
部活終了後。
「わたくし、ここで失礼しますわ」
片づけもせず帰宅したお嬢様。
まぁ、居ない方がやりやすくはあるけど。
「波瑠、ちょっと付き合え」
皆まだ居残り練習をしている。
「あー…良いよ」
どうせ移動するのは夜中だし。
「何するの?」
「トス」
「は?」
「だからトスっつってんだよ」
「菅原先輩に頼めば良いじゃん」
「菅原さんは連携の方で忙しい。
お前は暇だろ」
暇ではないけど。
「あんま得意じゃないんだけどな」
「じゃあ俺はスパイクレシーブする!」
日向まで…。
とりあえず、やるしかないのか。
「行くぞ」
飛雄がこっちに放ったボールを捉え、打点へと送り出す。
ドゴン、と鋭い音が響いた。
「チクショウ…影山やっぱストレート巧ぇ…」
悔しそうな顔をする日向と、音に釣られてこっちに目を向ける部員。