第29章 撃沈
「波瑠ちゃんが嫌な思いをするのだけは嫌」
「はは、清水は随分柏木のこと気に入ってるな」
「うん。
真っ直ぐで良い子だから」
「でも確かに嫌いにはなれないよな。
それにもう、うちには必要不可欠な存在だからな」
「確かに、居ないとキツイよなぁ。
個性的な1年まとめられるし、分析力もある。
何よりバレー技術もあるから練習相手にもなる」
「波瑠ちゃん、ちょっと良い?」
清水先輩に呼ばれた。
「どうかしました?」
「波瑠ちゃん、あの子のこと嫌い?」
「「清水、ストレート…!」」
「あ、はい」
「「柏木も負けず劣らずストレート…」」
「あの子が入部したら退部しちゃう?」
「それはないです。
1度やると決めたことですから最後までやり遂げます。
気に食わないとか、そんな理由で逃げたくないです」
「うわー…かっけ」
「波瑠ちゃんカッコイイ」