第28章 力
「彼女は蛍にゾッコンなので、何かあれば蛍伝いに言えば良いと思いますよ」
「ちょっと」
「物好きな奴も居るんだな、こんな奴が良いなんて」
「へーっ、月島モテんのか」
「確かに月島は女の子に人気ありそうな顔してるよなぁ」
「ちょっと旭。
何シミジミ呟いてんの?
ネガティブになるなよ?」
「ならないよ、スガ。
いやぁ、俺は大体怖がられるからさ」
「そうなんですよ!
ツッキーって女の子に凄い人気なんです!」
「山口煩い」
「ごめん、ツッキー。
でも大体可愛い女の子が話しかけて来たと思ったら、ツッキーのことばっか聞かれるし。
手紙とか渡すのもなぜか全部俺だし」
はぁ…と重い息を吐き出した。
「なんで月島は全部持ってんだよォ。
背デケェし、頭良いし、眼鏡だし!」
「西谷さん、最後の関係あります?」
「ま、レシーブは俺の方が上だけどな」
「知ってます」
大体リベロなんだからレシーブ出来なきゃダメですよ、という余計な一言で更に西谷先輩を怒らせる。